2026年8月31日
【技術コラム】ゴム製品の寸法公差はどこまで必要?金属・樹脂部品と同じでは難しい理由

金属・樹脂部品と同じ公差では難しい理由
ゴム製品の図面を確認していると、金属部品や樹脂部品と同じように、非常に厳しい寸法公差が設定されていることがあります。
しかし、ゴムは金属や樹脂とは異なり、弾性を持つ材料であることに加え、加硫成形後に収縮するという特徴があります。
そのため、必要以上に厳しい寸法公差を設定すると、製品としての機能には問題がなくても、量産時の管理が難しくなったり、製造コストが上がったりする場合があります。
今回は、ゴム製品を設計する際に知っておきたい「寸法公差」についてご紹介します。
ゴム製品はなぜ寸法が変化するのか

ゴム製品は、金型の形状をそのまま転写して完成するわけではありません。
ゴム材料を金型内で加熱・加圧し、加硫反応を行った後、金型から取り出して冷却する過程で収縮が発生します。
さらに、同じ材質・同じ硬度であっても、ゴムの配合が異なれば収縮率も異なる場合があります。
つまり、
「同じ金型を使用したから、違う材料でも同じ寸法になる」
とは限りません。
これは材料変更を行う際にも非常に重要なポイントです。
寸法にはさまざまな要因が影響します
ゴム製品の寸法には、例えば次のような要因が影響します。
- ゴム材料の種類や配合、収縮率
- 製品形状や肉厚
- 金型温度
- 加硫時間
- 成形圧力
- 材料投入量
- 金型から取り出した後の状態
- 測定方法や測定箇所
- 測定時に製品へ加わる力
特に薄肉部分や長尺形状、複雑な形状では、製品を金型から取り出した後の変形も考慮する必要があります。
「測り方」でも寸法が変わるのがゴムです
ゴム製品の寸法管理で難しいポイントの一つが、測定時に製品自体が変形することです。
例えばノギスで測定する場合でも、測定する人の力加減によってゴムがわずかに押され、測定値が変化することがあります。
そのため、重要な寸法については公差だけでなく、
「どこを測定するのか」
「どの測定器を使用するのか」
「どのような状態で測定するのか」
まで考えておくことが、安定した品質管理につながります。

すべての寸法を厳しくする必要はありません
もちろん、ゴム製品でも機能上重要な部分については、寸法をしっかり管理する必要があります。
例えば、相手部品との嵌合部、シール性能に関係する部分、組付けに影響する部分などは重要寸法となります。
一方で、製品機能にほとんど影響しない部分まで同じように厳しい公差を設定すると、製造や検査の負担が大きくなります。
そのためゴム製品では、
「どの寸法が製品機能にとって本当に重要なのか」
を整理した上で公差を設定することが重要です。

図面作成の段階からご相談ください
根来工業では、いただいた図面通りにゴム製品を成形するだけではなく、ゴム材料の特性や量産性を踏まえ、必要に応じて寸法公差や製品形状についてご相談させていただくことがあります。
「この公差で量産できるのか」
「材料を変更すると寸法はどうなるのか」
「この部分だけ寸法を厳しく管理したい」
「まだ図面が完成していない」
といった段階でも構いません。
試作・材料選定・金型製作・量産成形まで、ゴム製品に関するお困りごとがございましたら、お気軽に有限会社根来工業へご相談ください。
カテゴリー: ゴムの知識


